クオリテLab開設1周年

水戸市にあるJA会館1階にクオリテLabを新設し、オープニングイベントとしてヴィーガン料理家のリト史織さんをお招きしたのが2022年5月27日でした。もう少しでまる1年が経過します。

クオリテLabはJA会館の正面玄関を入ったすぐ右側、JAバンクの反対側にある幅8.2m、奥行き7m強程度の小さな場所です。以前ここには農協観光茨城支店の事務所があったところで、それを改装して現在のクオリテLabに仕上げました。クオリテLabは、JAグループ茨城が掲げる『持続可能で高付加価値な茨城農業を創る』という中期目標に対して、『茨城の食と農』に関する情報発信を行う目的で計画したので、ドイツ製ビルトインキッチンのGAGGENAU(ガネナウ) https://www.ntec.tv/ を設置し、ここで茨城の食材を使った料理を作り食べてもらうことにしました。

クオリテLab開設1周年

東京大学名誉教授の谷口信和先生と八木岡会長が対談した際、米を粒で食べてもらうのが限界なら粉で食べてもらうことを考えようという提案から(https://www.ib-ja.or.jp/information/187/)、家庭にある生の米を水に浸し、それをミキサーで細かくペースト状にしてパンやスィーツを作るという料理家リト史織さんをお招きして、一緒にこの料理を作ったり、食べたりしたのがオープニングのイベントとなりました。

その後もこの生米、そして米粉を使った料理がここでたくさんの人に作ってもらったり、食べてもらったりを続けています。また、料理を作ったり楽しんでもらうことに協力をしていただいていている人たちは、SNS世代を優先し、楽しんだ後で情報を拡散してもらえる人たちに意識的に声がけしてきました。SNSの活用は、何人に見てもらうかだけでなく、友人の友人たちへと、どれだけ拡散できたかが大切です。

クオリテLabにある家具類は、みなさんに興味を持っていただいているようです。赤茶色の縦型のランプはフランク・ロイド・ライトのTALIESINという10個のチェリー材を組み合わせた間接照明で、ライト自身の自邸用に設計されたもので、90年以上も愛されて使われている照明です。椅子もカール・ハンセンのYチェアや最新にアレンジされたCH88、また広島のマルニ木工で作られた椅子は深澤直人さんデザインで、型違いとなるHIROSHIMAはカリアフォルニアのApple本社に数百脚納入され使われています。テーブル類もマルニ木工製のものが多く、統一感を出しています。丸く重ねられるのが特徴の椅子も多数あって、こちらはartek社のスツール60という名品です。同じくartek社のティートロリーという運搬台もユニークな存在感を放っていると思います。

こういった、長く愛されている家具たちには愛される理由があります。そしてそれなりに高価なものもあり、これこそが高付加価値なシンボルではないかと考え、高付加価値な茨城農業を考える場所としてふさわしいのではないかとレイアウトしています。家具の提供は勝田にあるシンクラボさんに揃えていただきました(https://shinc.co.jp/)。

ここでたくさんの人から話を聞き、それをYoutubeで発信してきました。東京大学の鈴木宣弘先生をはじめ、茨城ロボッツの遥天翼さん、レストラン青山シェフ、料理専門家の川上美智子先生、オーガニック農家の横山さん、生駒さん、水戸農人形作家の横田さん、木村さん、勝村さん、日立フラットチャネルのみなさんなどなど、それぞれが興味深い話をしていただきYoutubeチャネルから配信することができています。

また、外国からもベトナム、中国、マラウイ、ウクライナから学生を中心に来ていただき、料理やお話を伺うことができました。

ひと昔なら、大きなホールを借り切って300人集めたことが自慢話になっていましたが、Withコロナ、そしてAfterコロナではインターネットを活用したより合理的な情報発信が可能になっています。この小さなスペースのクオリテLabから世界に向けて情報発信ができているのも、テクノロジーのおかげです。

もうじき1年が経過するクオリテLabですが、これからはさらに活動の幅を広げて、組織内での自活的に集まったチームでの活用や、音楽、文化講演、映画、読書会、そして定時後や週末にはお酒を持ち寄って楽しく歓談できる場にもできればと思っています。みなさんの活用アイデアをお待ちしています。

Share
  • Twitter
  • Facebook