持続可能で高付加価値な茨城農業を
創る:茨城県議会議員 加藤あきよし議員に聞く

茨城県議会議員の加藤あきよしさんは「儲かる農業の実現で生産者の所得向上を目指します」という政策を掲げています。JAグループ茨城がビジョンとしている「持続可能で高付加価値な茨城農業」は儲かる農業でもあるはずです。

持続可能で高付加価値な茨城農業を創る:茨城県議会議員 加藤あきよし議員に聞く

Q:今日は持続可能で高付加価値な茨城農業を創っていくために、どういうことが必要か伺いたいと思っています。まず、茨城県にとって農業はどういう位置付けで、どうあるべきでしょう?

A:日本がこれから成長していく上で、基盤産業である農業の成長は非常に重要です。茨城県は日本3位の生産高を誇る農業でリードすべきだと考えています。そして、そのためにはブランド化、販路拡大、加工産業の推進(6次産業化)の3つが大事です。

Q:例えばどういうことでしょうか?

A:農産物を生産するだけでは、製品化されるまでの値決めのイニシアチブが取れません。例えば果樹の皮を剥く、ジュースにするといった1次加工の場があれば価格決定権が取れます。さらにそこから全国発送、ついで加工品を海外に展開するという販路が広がります。
 県内の成功モデルは甘藷だと思います。生産・加工を県内で一貫して行い、県特産品として海外輸出できているので、素晴らしと思います。

Q:生産から加工・流通までのバリューチェーンを、できるだけ県内で行うということですね。

A:そうです。例えば、私の地元で米粉麺も展開しているのですが、製粉を委託しているのは栃木県の加工場です。つまり加工段階の付加価値は栃木県に落ちているのです。これからは、生産だけでなく加工・流通などの製品化も含めてトータル茨城でなんとかやりたいと思っています。
 製品化までのバリューチェーンで儲かるはずの部分が他県に落ちているのは勿体無いですし、ジュースの加工などもできれば、廃棄される農産物の活用も可能です。そうすることでブランド化もできるし高付加価値な商品に変わるはずです。
 そうやって、儲かる農業に成長していき、得られた利益を次の利益に充てる好循環を目指すべきです。

Q:生産基盤としての農業を考えると、どうあるべきでしょうか?

A:生産基盤を考える際に重要なのは安全保障です。今回のウクライナ問題でも明確になりましたが、地政学的な不安を含め、食糧安全保障のきちんとした考えを持ち、都心に近い茨城県は重要な位置にあると考えなければなりません。そのためには、コメ生産を減反政策で減らすだけでなく、転換する作物を主食になり得る小麦、大豆などの穀物を育てるような、食糧安全保障を国が考えていくべきです。輸出の議論をする前に、食料自給率をきちんと確保することが大事だと思っています。

Q:冒頭でブランド化が重要だというお話をされました。具体的にはどういうことでしょうか?

A:ブランド化というのは、消費者の体験に基づくような物語があり、それを語っていくことで価値を上げるということだと思います。私は東日本大震災の後、風評被害対策でJA青年部と一緒に笠間の火祭りで野菜を売ったことがあります。最初は大声出して「美味しいトマトですよ」と叫んでもまったく売れない。そこで売っているイチゴを1粒タダで配る、トマトを切って甘いよ!と言って試食してもらうと売れはじめました。ジェラードもあったので、そこにいちごを切ってのせて売ったら、今度は人が並びはじめました。赤字覚悟だったけれど、売る時に「ここで食べずに歩いて食べて!」と言ったら、それを見てさらに客が増えた。この経験は大事だと自分で思っています。
 最近、ネットで買った野菜ジュースは、生産者の熱い思いが記されたきれいなパンフが入っていて、それを読んでジュースを飲むと一味も二味も違いました。ストーリーが味をさらに作っているのだなと実感しました。

持続可能で高付加価値な茨城農業を創る:茨城県議会議員 加藤あきよし議員に聞く

Q:これからどういう政治家をめざしていきますか?

A:日本がどういう方向にいくかを考えると平和で持続可能、少子化であっても子供たちが誇りをもって生きていける日本であって欲しいと常々思っています。そうするためには経済的に豊かでなければなりません。苦しくなると世界的な影響力も落ちてきます。経済的に豊かであるためには、日本の知識、情報、力を世界に売り出すことをもっとすべきです。
 特に農業面では、世界的にタネを蒔いて水をあげただけで作物が育つ場所はそうそうありません。恵まれた場所であるからこそ、世界を救う、人の命を救う日本農業、とりわけ茨城農業であって欲しいといつも願っています。

 平和については、父親が戦争遺族で私は遺族会の青年部長を勤めています。親の代が経験した悲惨な話を子供にしたくない気持ちで情報伝達が途絶えていると感じています。それを再構築することが世界平和にとっては重要ではないでしょうか?そのために不安定な国に対して攻撃的であってはならない、喧嘩腰では仲良くなれないのです。政治家が頭を下げるだけで話し始める場ができるなら、自分は頭を下げます。その上で世界平和を長期で考えていける政治家になりたいと考えています。

Q:ありがとうございました。応援していますので、頑張ってください。

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