IBS茨城放送のラジオ番組:「JAさわやかモーニング~やさしい法律~(7月31日)~」で「刑事事件の裁判について」が放送されました。

2018年8月8日

7月31日(火) にJAさわやかモーニングでやさしい法律「刑事事件の裁判について」が放送されました。

 放送内容については下記の通りです。(アはアナウンサー、杉は杉下弘之弁護士です)

私はいつも思うのですが、「民事事件」「刑事事件」とか言われますが、どこがどのように違うのでしょう。
先生、刑事事件の裁判はどのように行われるのですか。

はい。刑事事件と民事事件はまったく違います。
まず裁判になった場合ですが、刑事事件として提訴されたときは、一般の人が傍聴できるような法廷で裁判が行われるようになっています。この裁判を公判といいます。
大まかにいいますと、民事事件は自分の利益に関係する事とか、市民の生活に関しての規定。例えば財産や物の権利・債権とか、親族関係の問題や相続関係の事です。その他には商売にかかわるトラブルとかが民事事件です。刑事事件は犯罪や刑罰の事です。

今日は刑事事件についてですか。

はい、刑事事件として裁判になった場合は裁判所で一般人も自由に裁判をみることができます。

誰でも自由に入れるのですか。

内容はい、誰でも入れます。だから裁判の流れや法律用語を知っているとより理解ができます。

なるほど。では、その刑事事件について教えて下さい。

刑事事件とは先ほど冒頭で話したように、罪を犯したと思われる事柄を立証し、刑罰を与えるかどうかを審議するのが目的です。
罪を犯した人を逮捕し、取り調べるのが警察。その犯した罪を立証するのが検察庁の検事。本当に犯した罪なのか、何か理由があるのか、あるいは冤罪かどうかを立証するのが弁護士。判決を下すのが裁判所の裁判官。つまり、警察→検察庁→弁護士→裁判所です。
裁判を行うことを公判といいますが、少し公判の流れをご紹介します。

公判、つまり裁判ですね。

公判ではAがBに暴行、つまり殴ったり蹴ったりして怪我をさせてしまったとします。そして起訴された。
起訴というのは裁判沙汰にしたということです。

はい。AがBに怪我をさせてしまって警察で調べられ検察庁に送りさらに調べて、起訴された、その裁判ですね。

公判ではまず、
①裁判官が、Aが人違いでないことを確かめるためにAについて尋ねます。これを「人定質問」といいます。具体的には本籍・住所・氏名・職業・生年月日を言わせます。
②検事が「起訴状朗読」といってAがBに怪我を負わせた事柄を朗読して、こういうことなので公判請求している。つまり裁判になったよという。
③次に裁判官が「黙秘権の告知」といってAに黙秘権があることを告知し、今、検事が起訴状朗読をしたが「A」あなたは「B」に対して怪我を負わせたことに対して「どうですか」と聞く。

 

あー、なるほど。裁判官がAに確かめる。

①検事がAがやったことは犯罪だからと立証する。Aを被告人といいます。
②裁判官がAに「黙秘権」があることを告知する。そういう流れですね。
そうそう、ここで1つ、民事事件と刑事事件でのAさんの呼び方が違います。刑事事件ですとAを被告人です。民事事件では訴えた人を原告、訴えられた人を被告といい、被告人とは呼びません。

①本人確かめの裁判官
②起訴状朗読の検事
③黙秘権告知の裁判官 
ここまでで、弁護士が出てこないですね。

そうですね。検事が起訴状朗読でAがBに対して怪我を負わせた事に対して、どうして、こうなったのかと言って起訴になった刑法○○条にあたる等を読み上げる。
裁判官がAに対して、検事が読んだことについて「相違ありますかどうですか」と聞く。「認めますか、反論しますか」と聞く。

弁護士はいつ登場するのですか。

はい、ここからやっと弁護士が登場します。弁護士はAの味方です。
刑が軽くなるようにとか、Bに謝罪したりとか、治療費は支払っているとか、反省しているとかの状況を話したり、こことここが検事とAの言っていることと違うとか反論したり、部分的に同意したりします。

そしたら検事はそのことを含めてどうするのですか。

検事は「冒頭陳述」といい、事件の内容を細かく書いた「冒頭陳述書」を出します。さらに「検事立証」という弁護士が行ったことに対して新しい証拠とか、追加の調べたものとかを出し、激しい議論を交わします。
そして検事の「論告・求刑」と弁護士の「最終弁論」です。

最後は判決ですか。

いいえ、最後は裁判官が「最終陳述」といってAさんに「何か言いたいことはありますか」と聞き、Aさんは何か言って、判決は後日になります。

なるほど。それでは、先生、今日のポイントをお願いします。

最初に申し上げましたとおり、民事事件はただ「書面のとおりです」と言うだけで書面の内容を全く読み上げません。したがって傍聴していてもさっぱりわかりません。
これに対して、刑事事件では民事事件と違い全て陳述や証拠やいきさつ等、裁判の中で分かりやすいように読み上げます。

今回の流れを参考にぜひ傍聴してみてください。裁判所に入り口で法廷の部屋ごとに今日の開廷時間・内容が書いてあります。刑事事件はすべて言葉のやりとりです。