IBS茨城放送のラジオ番組:「JAさわやかモーニング~やさしい法律~(9月11日)~」で「インチキな変なハガキ」が放送されました。

2018年9月13日

9月11日(火)にJAさわやかモーニングでやさしい法律「インチキな変なハガキ」が放送されました。

 放送内容については下記の通りです。(アはアナウンサー、杉は杉下弘之弁護士です)

今日は「インチキな変なハガキ」という題ですが、どういうことでしょうか。

はい。先日、私の家内宛に「インチキな変なハガキ」が届いたのです。
実は、このハガキに関しては、この間市役所の法律相談で相談を受けたものと同じようなものなのです。

へぇー、どういう点が「インチキな変なハガキ」なのですか。

「インチキ」というのは、もともとは博打の世界での言葉で「いかさま」という意味で、「不正」とか「ごまかし」または「にせもの」という意味です。
このハガキの見出しを見ますと、「消費料金に関する訴訟最終告知のお知らせ 訴訟管理番号(わ) 618」とあり、わかるような、わからないような内容が危ないのです。

何か、消費料金に関連して裁判を起こされたような内容なのでしょうか。
えっと、見出しの意味がよくわからないので、本文の方を私が少し読ませていただきます。
「この度、貴方の利用されておりました契約会社、もしくは運営会社側から契約不履行による民事訴訟として、訴状が提出されましたことを改めてご通知いたしますとともに」と書いてあります。

今、アナウンサーさんが読んでくれたハガキの内容ですが、ハガキでは誰にでも読まれてしまいます。
このように民事訴訟を起こされた場合には、民事訴訟が起こされたことを他人からもわかるようなハガキで連絡することはありません。
もし、本当に民事訴訟が起こされた場合は、封筒で、それも裁判所の封筒で訴状を必ず同封して送られてきます。

そうするとハガキで「民事訴訟に関する訴訟最終告知のお知らせ通知」ということはありえないのですね。

ハガキでくることはありません。

訴訟取り下げ最終期日を経て裁判を開始させて頂きます」とありますが、この「訴訟取り下げ最終期日」などということ自体がありえないことなのですかね。
それから、このハガキを見ますと、「また、このままご連絡なき場合は、原告側の主張が全面的に受理されまして裁判所の許可を受けて執行官立会いのもと、現預金や有価証券及び、動産や不動産の差し押さえを強制的に執行させて頂きます。」とありますね。

これはやんわりとした言葉ではありますが、専門用語をわざと使ってやんわりと不安がらせています。
このハガキの内容は、刑法第222条の財産に対して害を加える旨告知して人を脅迫した場合に該当するのではないかとも考えられ、脅迫罪が成立する可能性があります。
つまり、何も連絡しないでいると、現金や預金、有価証券、動産や不動産を強制的に差し押さえされてしまうのではないかと思わせてしまうような内容を、やんわりとした口調で説明していることになっております。

そうですね。これでは思わずハガキに書いてあるところへ相談したり電話したくなりますね。

そうなんです。そこでこのハガキを次のところを見ますと「尚、訴訟取り下げなどのご相談につきましては当局にて承っておりますので、下記まで問い合わせください。」と書いてありまして、下の方を見ますと「取り下げ等のお問い合わせ相談窓口○○○番とか受付営業時間(日、祝日は除く)平日9:00~20:00」/土曜日11:00~17:00」と書いてありまして、いかにもすぐこの電話番号へ電話したくなります。
しかし、平日も20:00まで、また土曜日もやっているということはおかしいです。

そう言われれば、役所なのに土曜日もやっていて、平日夜8:00までやっているとのはおかしいですね。

そして、このハガキの一番下に「法務省管轄支局 国民訴訟お客様管理センター 〒100-8977 東京都千代田区霞が関1丁目1番地10号」とあり、いずれも発信人の役所の名前と思わせるような記載がありますが、ここにある「法務省管轄支局」というところはなく、「国民訴訟お客様管理センター」という役所もなく、ここに書いてある郵便番号も住所も全く架空のもので、このような住所はありません。

それでは、先生、今日のポイントをお願いします。

今日は、最近私の家内のところに来ました「インチキな変なハガキ」について、いかにもすぐに電話しないと財産を強制的に差し押さえされてしまうかもしれないと思わせるような内容のことが書いてありますので、このようなハガキに惑わされてすぐ電話したりしないようにしてください、ということをお話ししました。
皆さん気を付けてください。

インチキな変なハガキ