平成17年11月15日放送

医療の現場でよく使用する医療用語について
総合病院取手協同病院
薬剤部長   高崎茂雄
司会:医療の現場でよく使用する医療用語についてお聞かせください。
高崎:薬に関しては、「QOLが向上した」とか「コンプライアンスが悪い」とかよく使用しますし、「インフォームドコンセント」もよく耳にするのではないでしょうか。
司会:「QOL」とはどういう意味ですか?
高崎:Quality Of Lifeの略で、クオリティ オブ ライフと読み、「生活の質」とか「生命の質」と訳されます。人間らしい充実した生活、暮らしのレベルの事です。医療の現場でよく使用するとても大事な言葉で、医療に従事する者は(私達薬剤師も)、患者さんのQOLの向上をできる範囲で常に考えるようにしています。
司会:「QOLが向上した」とはどういうことですか?
高崎:もともと薬は、QOLの向上のためにあるものといえます。痛みや熱があってつらいのを、薬によりその苦しみをとり、QOLを向上させます。また、1日3回飲んでいた薬が、製薬会社の工夫で1日1回だけ飲めば同じように効果が出るようになる事も、QOLの向上になります。
司会:反対に「QOLが低下した」とはどういうことですか?
高崎:逆に薬の副作用はQOLの低下になります。例えば、血圧の薬でACE阻害薬というものがありますが、時として咳(痰が出ない空咳)が出る人がいます。もしそういった副作用が出た場合は、別のタイプの血圧の薬に替えればすむ事です。無理に我慢することはありません。薬の副作用は、薬によりやむを得ないものや、場合によっては我慢が必要なこともありますが、ちょっと言ってくれれば、こうしたらなくせるということもあります。小さな事や、くすりの副作用かな、などという事があれば、ぜひ医師や薬剤師に相談していただければと思います。
司会:次に「コンプライアンス」とはどういう意味ですか?
高崎:「コンプライアンス」とは、「要求・命令などに応じること、人の願いなどをすぐ受け入れること」などという意味です。つまり、薬に関して使う場合には、「患者さんが医師の指示通りに、きちんと薬を飲むこと」をいいます。
司会:「コンプライアンスが悪い」とはどういう意味ですか?
高崎:逆に「患者さんが医師の指示通りには薬を飲んでいないこと」をいいます。きちんと薬を飲んでいれば、コンプライアンスが良いといい、薬を飲んでいなければ、コンプライアンスが悪い、とかノンコンプライアンスであるといいます。 高血圧、糖尿病などの慢性疾患の治療薬の場合、コンプライアンスが重要です。コンプライアンスが悪い場合、患者さんが「何の薬なのか、なぜ飲まなくてはいけないのか、飲まないとどうなるのか」など、その薬を飲む必要性や重要性を知ることが大切です。ぜひ、医師や薬剤師に相談してください。
司会:次に「インフォームドコンセント」についてもお聞かせ下さい。
高崎:「インフォームドコンセント」は「説明と同意」と言われています。医師が患者さんに病名や病状について十分説明し、治療方法についても十分説明をした上で、複数の選択肢をつけ、それぞれの効果や優れている点、予後の影響や欠点、さらに生命への危険性など、情報を十分に提供した上で、患者さんが医師の治療方針に同意したり、自分が受けたいと思う治療法を比較検討して、自主的に判断して選択できることをいいます。
司会:患者さん側から言えば、どうすればいいのですか?
高崎:患者さんも、自分の病気のことは医師の説明を聞いて理解して、医師が示す選択肢の中から自分が選ぶのだという責任があります。医師まかせでなく、自分の病気のことは自分が主治医のつもりで、病気のこと、薬のこと、治療のことなど、十分理解して、どうしたら自分の病気を治すことができるのか、医師とともに検討していかなくてはなりません。
司会:薬についてはどうですか?
高崎:薬についていえば、飲んでいるくすりが、何の薬なのか、なぜ飲まないといけないのか、飲まないとどうなるのか、などを知らないで、黙って素直にのむだけ、というのはどうかと思います。自分の病気の主治医は自分と思って、服薬の意味、意義については、ぜひ知っておいて下さい。何の薬かも知らずに飲むより、理解して飲んだ方が、薬の飲み忘れを防いだり、飲むのがあまり苦にならなかったり、何かとメリットがあると思います。

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